店番2人の日々の申し送り帳
ベーシックと美しき遊び心。須藤拓也展

〈上記写真の器は私物です。〉


明日から始まる「須藤拓也 陶展」。
もしかしたら、以前にもこのブログで書いたのか?
忘れてしまったのですが、
展示会前なのでちょっと、よもやま話。


須藤さんの器を初めて知ったのは
364をOPENする前の、ずっと前の話し。


西荻窪に来ることの理由としてあったのは
[たべごとや のらぼう]さんへ食事に、ということ。
特別でわくわくする愉しみの宴。
のらぼうさんでは野菜の旨味を最大限生かした調理方法で
ハッとさせられるほど素材と向き合ったお料理。
野菜の旨味やえぐみを生かすように、調理人は手をつくす。
調味料や出汁がきちんと立っていても、素材の味は負けない。
なるほどこれがそのものの味だよね、と再確認させられるお店です。
或るとき、ちょこんと小さなぐいのみのような器に出されたお料理に
幾度とハッとさせられて。
「以前に来た時もこの器、いいなあとすてきに思ったのですが
作り手さんは何という方なんですか?」


下北沢に古い民家のような佇まいのお店があってね、
とっても美味しいらしいよ。[七草]さんっていうの。
そんな友人の話しを聞いて訪ねたのはもうだいぶ前のこと。
メニューはコースのみ。
ここも季節の食材をふんだんに、
そして大抵(私が言った時は毎回出ているので)、料理の最後を
締めくくる角煮が何ともパンチのある満足感。
やさしく、しとやかな流れでお料理が進められるものの、
最後に参りました…と胃袋を掴まれる感じ。また食べたいなって。
とにもかくにも、この七草さんのお料理はおいしいし、美しい。
お料理は女性ならではの潔さというか、繊細な中に秘められた大胆さがあり、
また細やかな気づかいと器の使い方がものすごく心くすぐられます。
「あっ、この器、須藤さんの器だよね」

 
野菜料理が、お好きならば足を延ばして。
ご存知でしょうか?鎌倉[なると屋+典座]さんを。
このくらいの季節になってくると、なると屋さんのとろみの効いた、
あったかお出汁のお饂飩が食べたくなるなあ。
そして、今だったら無花果のお味噌汁でしょうか?イチカワさん。
根菜も色々と地物が出回ってきますよねえ、食の宝庫:鎌倉。
そうここは「野菜をいただく」お店です。食べるというよりもいただくですね。
2年前、馬喰町のギャラリーで364の出張展示会を行った際に364のすり鉢を
使って、イチカワさんにワークショップをやって頂きました。
その時に、器出品して頂いた須藤さんがイチカワさんと久しぶりの再会を。
わあ、お知り合いだったのですね。つながるつながる。
そしてまた、今年の初夏には
イチカワさんの著者本「なると屋+典座の野菜をいただく」
という本でも須藤さんの器が使われていたのを発見。
菜の花と切り干し大根のお浸し、を。
「このお料理に須藤さんの器、叙情的な感じだなあ」

どのお店も須藤さんの器で盛られたお料理は生き生きしてる。
食材も、器も。そしていただく人たちの顔も。
自分たちがおいしいここは!と思っているお店で
みんな、使っていた須藤さんの器。
選ばれた器なんだなと感じました。

364がOPENしてまもなく、須藤さんと
ゆっくりとお話出来る機会も訪れ、
ハレて364で大切にしたい器の仲間入りを
果たすことができました。


あれから…。
私も須藤さんの器、いくつか持っております。
使っております。
色みはベーシックなものばかりですが。
日々のごはんの道具として、気負わず使えます。

今回の展示会では364の常設品ではみられない、
手の込んだ、絵付けなどの器が多く並びます。
遊びではなく、真摯な遊び心のある器。
あのお店で見た器も丁寧な絵付けの器だったな。

もちろん、お料理の素材が引き立つような
無地のベーシックな器もあります。

ベーシックさと美しき遊び心がかなでる展示。
是非是非、ご高覧下さい。


須藤拓也 陶展
2011/09/28(水)〜10/03(月)



追伸:
のらぼうさん、七草さん、なると屋さん、
とってもお薦めのお店なので是非まだ訪れたことのない方、
行ってみてくださいね。どちらのお店もおいしいですよー。


よもやまばなし - -
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